−子供映画の空手家たち −

 79年の東映まんがまつりの1本、『闘将ダイモス』の巨大ロボット・ダイモスは、操縦者が空手使いというだけで、機械のくせに烈風正拳突きなどの空手技で暴れまくります。まあ、その後テレビ東京で放映されたロボットアニメ『マシンロボ・クロノスの大逆集』にも、バイカンフーという拳法使いのロボットが出てきますが、極めつけはガンダムGに出てくる連中でしょう。中でもブリジット・リンからちゃっかり名前を頂いた拳法の師匠・東方不敗は生身の人間のまま巨大ロボットを倒すという荒技を見せるそうです(ごめん、ガンダムは一本も見たことがない)。

 同じく東映まんがまつりで公開された劇場版『仮面ライダースーパー1』では、赤心小林拳の使い手であるスーパー1が、山びこ拳を使うマタギの住む山びこ村に伝わる超兵器を奪った鷹の爪卑弥呼(マキ上田)ら地獄谷五人衆と闘うというものです。

 ちなみにTV『仮面ライダーBLACK』40話には、日本空手会の大御所でありながら、千葉真一・志穂美悦子・倉田保昭といった面々の敵役で活躍し続けた石橋雅史が「象を一発で倒せる日本一の」カラテ名人、実は非力な弱虫爺ぃ役で登場、「一生勤めても偉くなれない」「いつかは嘘に気づくだろう」と自嘲しながら、山奥で子供たちをだまして空手を教えるという因業な役柄で出ていました。


※「とにかくみんなぶちこみたいから、色んな空手映画を教えてぇ」という編集部の甘い囁きにのせられて小ネタを集めたら、「そんなんいらなーい」と言われて、それでも「何文字以内でちょうだい」と言われて書いて渡した結果、どこにも載せられずに闇に葬られた原稿。人名図鑑の石橋雅史氏の抜けと一緒に、同書の汚点ともいえる一件でした。


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