実写マンガ異色映画&TV作品

最新更新:(か)「軽井沢シンドローム」

日本の実写マンガ映画です。映画度評価は★★★★★、マンガ度は★★★★★で満点です



【あ】


【か】

■軽井沢シンドローム★★★★★★ New!

'85キティ・フィルム/ポニー 監督西久保瑞穂(アニメ)/森安建雄(実写) 出演中村れい子

【原作】

 たがみよしひさ「軽井沢シンドローム」:元暴走族のフリーカメラマン・相沢耕平は、三枚目の純生と共に、軽井沢を舞台に様々な人間と出会って、悲喜こもごものドラマに巻き込まれて行く。

【映画】

 気ままに生きる人生を謳歌するフリーカメラマンの相沢耕平(声・塩沢兼人)と純生(声・三ツ矢雄二)は、軽井沢で別荘を経営する純生の姉・薫(声・榊原良子)のもとに転がり込む。そこで耕平達は絵里、紀子、久美子達と知り合う。ある日紀子はかつて自分と暴走族を結成した、久美子の姉美和子が、ジロー率いる暴走族ディープによって輪姦されて自殺したと聞いて、一人殴り込んで窮地に立たされる。しかし紀子はディープの元総長であった耕平によって救出される。二人が軽井沢に帰ると、ジローに遊ばれたと思い込んだみるくが現れる。ジローはディープを解散させると、みるくと復縁。耕平は薫と紀子の間でフラフラするが、薫の妊娠を機に結婚を決意。しかし薫は流産してしまう。青森のロケ先でその報せを聞いた耕平は、結婚引退間近のモデルの緑とぶらついてなかなか帰ろうとしないが、結局は薫のもとに戻って行くのだった。

【解説】

 週刊ビッグコミックスピリッツで好評を博した原作漫画は、あけすけな性描写と、八頭身キャラと二等身キャラが混在する、たがみの兄である小山田いく作品と同じく柔らかい線の親しみやすいキャラクターが印象的。実写化やTVアニメ化には不向きな作品であり、当時「ダロス」などによってブームを見せていたオリジナルビデオアニメとして映像化されたのは、至極当然の事であろう。アニメ映像は、原作の雰囲気をうまく再現している。しかし本作がここで紹介される理由となったのが、アニメ部分に挿入される実写部分。なんと登場する主要女性キャラ全員が、実写で登場するのだ。そのキャスティングは、中村れい子(薫)、北原ちあき(絵里)、水島裕子(みるく)、小野みゆき(紀子)、大滝裕子(緑)、望月あゆみ(久美子)という面々。当時にっかつロマンポルノで主演を張った女優が3人もおり、実に豪華な顔ぶれ(笑)。それぞれが眼鏡をかけたり、キャラクターに似せた髪型をしたりしているが(原作ではキツい顔をしたみるくに、コミカル系の水島が扮しているのはミスキャスト)、キャスティングが女優しかいない事から想像されるように、結局は裸になって、シャワー浴びたりベッドで寝返り打ったり水辺を走ったり喘いだりするだけで、さほどの意味は無し。そういった実写場面がひたすら狙い澄ましたタイミングで挿入され、観ている方は凝固するのみである(感覚としては、人形アニメ劇の途中に突然実写のバレリーナの舞踊場面が挿入された「くるみ割り人形」に近い)。ビデオパッケージには「FOR YOUNG ADULT」とあり、原作が連載されていた青年漫画誌を愛読していた年代に下半身でもサービスして、お客さん倍増化を意図した結果だと思われるが、この作品を観賞するような原作ファンには不評たらたらだったらしく、後日実写部分をカットした再編集版が発売された。普通映画やイメージビデオで裸になる女優は、裸以外のドラマ部分に力を入れて自分の存在意義を主張しようとするものだし、実際ピンク映画には裸の場面がうざったるいとまで思わせる作品が多々見受けられるが、本作においては、女優はただ裸になるだけで台詞までも声優に吹き替えられており、ある意味AVよりも屈辱的な仕事である(しかも前述のように、それさえ喜ぶ視聴者は少なかった)。このように実写映像派には屈辱的とも言える本作だが、今観るとあまりの突飛な構成に笑える事は必至の珍作である。ちなみに製作当初、当時風俗出身のアイドルとして有名だった竹下ゆかりもキャスティングが予定されていた事を付け加えておく。


【さ】


【た】


【な】


【は】


【ま】


【や】

【ら】


【わ】


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